コメ業界の混乱

随意契約で何が起きている?古米の流通と業界の混乱

5月の下旬から政府備蓄米が「随意契約」によって市場に放出されはじめ、各業界で大きな波紋をよんでいます。

この記事では、新潟のお米屋「米杜氏」が実際に参加した随意契約オンライン説明会での様子や業界のリアルな声をもとに、備蓄米の現状と課題を解説します。

随意契約の備蓄米は消費者への直接販売が条件

備蓄米の放出イメージ

弊社の販売メインは全国に200店舗以上あるホームセンターですが、こちらには随意契約のお米は卸せないとの事でした。

随意契約をした企業が消費者に直接売るという条件ですので、弊社の場合、こちらの条件に合いませんでした。

当ショップは店頭販売もしていますがとてもお米を捌ききれませんので随意契約を断念しました。

加工用米・業務用米には使用できない

悲しむ施設の人のイメージ

こちらオンライン会議でも盛り上がった項目です。

養護施設などのお米に利用したい方が質問していましたが、結果はNGでした。

また、飲食店を経営している方もお店で使えるかと質問していましたがNGでした。
「消費者に直接売る」の条件ですので飲食店はよさそうな気がしますがダメでした。

街のお米屋さんはそもそも無理

街の米屋のイメージ

一度の引渡量は原則10トン又は12トンの倍数となる為、町のお米屋さんはそんな量を保管する場所がありません。

また、フォークリフトを持っておらずトラックからお米を下ろせません。

さらに1トンパックを精米する設備がないなど意見がありました。

こうみると売り先は限られてきます。

ほぼ大手が随意契約

大手サラリーマンのイメージ

売るチカラがある企業が契約したとの印象です。

しかし、なんせ準備不足感が半端ないです。

随意契約をした企業のほとんどは精米工場を持っておりません。

何社か精米依頼が来ましたがすべて断りました。

さらに随意契約をした企業は米袋も持っておりません。

いま、米袋業界はパニックとの事で、休みなしで稼働しているとの事です。

営業倉庫が倒産の危機

工場勤務のイメージ

倉庫にお米を保管するということは「保管料」が発生します。

また、これから気温が上がりますので温度管理のために保管料が上がります。

急に備蓄米が放出され、予定されていた長期保管料が白紙になる事態が発生しています。

多くの倉庫が打撃を受けています。

運送業も物量が急増増加

クロネコヤマトのイメージ

何万トンのお米が一斉に動きますのでトラック業は忙しくなると思います。

さらに、楽天・アイリスオオヤマなどネット販売企業もありますので、ヤマト・佐川等も大変になるかと思います。

古米は美味しいのか

政治家のイメージ

また食べていませんが、弊社の倉庫に令和3年産の佐渡産コシヒカリがありましたが結構匂いは強いです。

精米すれば多少良くなるかもしれませんが、おそらく匂いがありそうです。

水分も低くなっているので炊き方に工夫が必要だとおもいます。

生産者さんに教わったのは古米を食べる時はミルキークイーンと混ぜて炊くと良いと聞きました。

今回の場合は、古米と令和6年産を混ぜて炊くといいかもしれません。

最後になりますが、今回の備蓄米は前代未聞の出来事で、みなさん大慌てです。

オンライン説明会で対応が悪かったとのニュースがありましたが、職員の方も急な事態に対応が難しかったのかもしれません。

まだまだ備蓄米の騒動が続くと思いますので、静かに見守りたいと思います。

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株式会社壱成 かがやき倉庫

新潟のお米屋 壱成

1998年開業の新潟のお米屋。新潟・山形・福島米の契約生産者約250の皆様に米の品質向上・食味の安定を求め、産地に合った肥料設計・栽培マニュアルの徹底を行っています。そして生産者から直接お米を集荷し品質に自信を持って契約生産者と共に全国に「おいしい」をお届けしています。

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